信用金庫カードローンでは独自の審査基準がある?銀行カードローンより甘い?
「信用金庫のカードローンは銀行よりも審査が甘いの?」「普段利用している信用金庫なら審査が優遇されるかも?」と、信用金庫のカードローンの審査が甘いのか気になる人も多いのではないでしょうか?
実際のところ、信用金庫カードローンの審査基準として、顔が見える取引を行っている人には多少の審査の優遇があったり、信用金庫で給料を受け取っているなど特定の取引状況の人だけに金利が優遇されることもあります。
この記事では、信用金庫と他のカードローンの審査の違い、信用金庫のカードローン独自の申込条件や商品などについての解説を行っていきます。
- 信用金庫カードローン独自の審査方法について
- 信用金庫カードローンのメリットデメリット
- 信用金庫カードローンの保証会社について
信用金庫カードローンの審査について
信用金庫カードローンの審査基準について
信用金庫カードローンも保証会社の保証が必須
信用金庫のカードローンは保証会社の保証が必須となっており、保証会社の保証を得ることができない場合には審査に通過することはできません。
信用金庫カードローン・銀行カードローンで共通する審査基準
信用金庫カードローンも銀行カードローンも保証会社の保証が下りればかなりの高い確率でカードローン審査に通過できます。信用金庫・銀行で共通する審査基準は以下のようになっています。
ブラック不可
信用情報に自己破産・債務整理・長期延滞・強制解約などといった事故情報が記録されている人は審査に通過できません。
借入限度額は年収の2分の1以内
銀行も信用金庫も他社との合計でカードローンやフリーローンのような無担保融資の借入額の合計は年収の2分の1までとされています。
多重債務者不可
すでに、カードローンやフリーローンなどの無担保融資の借入本数が3本以上ある人を多重債務者と呼びますが、そのような人は審査に通過することが非常に難しくなります。
申込ブラック不可
信用情報には過去6か月間のローンへの申込履歴が記録されており、ここに3回以上の申込情報が記録されていると、申込ブラックなどと呼ばれ、審査通過は難しくなります。
クレジットヒストリーが重要
信用情報には過去24か月分のクレジットカードや借入金などの返済状況が記録されていますが、ここに遅れが多い人は審査には通過できませんし、逆に遅れがない人は審査に通過できる可能性が高くなります。
銀行カードローンも信用金庫のカードローンもこれらの審査基準は変わりませんし、銀行も信用金庫も日本にある指定信用情報機関であるCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの3社すべてに審査の際には照会を行っています。
消費者金融よりも信用金庫カードローンの審査は厳しい
消費者金融カードローンは審査の通過率が30%~50%弱程度もあることから、銀行や信用金庫の審査よりも甘くなっています。 公表されてはいませんが、銀行・信用金庫ともに通過率は20%程度と言われています。
信用金庫カードローン独自の審査方法はある?
銀行と信用金庫の審査基準や難易度は大きくは変わらないと説明しましたが、信用金庫は顧客と顔を合わせた取引を企業理念としているため、信金との取引状況によっては若干審査が優遇されることもあるようです。
信金との取引状況が優先される
信金と以下の取引を行っていると、「信用情報に問題があっても返済には問題ない人」などと判断され、審査に通過できることもあります。
給与・年金振込に利用している
信金で給料や年金を受け取っている人は、信金の口座に定期的な現金収入が入ってくるため返済に問題がないと判断されて審査に通過できることもあります。
住宅ローン
信用金庫は自行で住宅ローンを借りている人を大切な顧客として扱いますので、住宅ローンの返済に問題がなければ審査が優遇されることもあります。
積立をやっている・家族に預金が多い
信金は積立を行っている人には毎月集金に行くことが多いです。そのような顧客の申込であれば、集金時に返済金の回収もできるため審査で優遇されることもあります。
家族に預金が多い
家族に預金が多い場合には、たとえ本人に信用がなくても、家族が返済を支援してくれる可能性が高いため、審査で優遇されることがあります。
事業取引先の関係者
信用金庫は事業資金を借りている企業には特にこまめに足を運び、経営者とのコミュニケーションをとっていますし、それが信金マンの基本的な仕事です。そのような会社の社長や親族や従業員からカードローンの申込があった場合には、審査で優遇されることもあります。
上記のいずれかの条件に当てはまる人は可能性があるというだけで、必ず審査に優遇されるとは限りません。
信用金庫カードローンの保証会社は審査難易度はどう?
信用金庫カードローンは基本的に信用金庫独自の保証会社がついています。
- 信金ギャランティ
- しんきん保証基金
信金カードローンの保証を行う、信金ギャランティやしんきん保証基金などの保証会社は基本的に銀行カードローンの保証を行っている会社と審査基準は大きく変わりません。
しかし、信用金庫が出資して作っている会社ですので、前述のように審査で優遇される条件を持った人が申込に来た場合には、関連会社であるため審査で融通が利きやすいという特徴があります。
2つの保証会社には審査難易度に違いがあります。
信金ギャランティの審査
信金ギャランティは信用金庫のカードローンやフリーローンのような無担保融資の保証を専門に行っている会社です。
無担保融資はリスクの高い人も審査に通過させて、高金利を得ることを目的とした融資ですので、信金ギャランティの審査は比較的甘くなっています。
パートアルバイトの人でも信金ギャランティの審査には通過できることも珍しくありません。
しんきん保証基金の審査
しんきん保証基金はカードローンの保証も行っていますが、住宅ローンの保証も行っている会社です。
住宅ローンという審査が厳しいローンの保証も行っているため、信金ギャランティと比較して厳格な審査を行います。
基本的には、しんきん保証基金の審査に通過できる人は会社員で収入が安定している人がメインとなります。
保証会社によっての金利や条件の違い
信金カードローンの場合、保証会社によって審査基準や保証対象としている人が異なりますので、金利や条件が異なります。
信金ギャランティは金利が高くなっていますし、しんきん保証基金は金利が低くなっています。
信金ギャランティは保証料が高い
信金ギャランティの審査は保証料が高いため、信金ギャランティ保証のローンは金利が高くなっています。
代表的なカードローンであるキャッスルの最高金利は14.5%となっており、メガバンクのカードローンと同程度となっています。
しんきん保証基金は保証料が低い
しんきん保証基金のカードローンは存在しますが、しんきん保証基金が保証を行うローンは、金利が比較的低く10%を切る程度の金額です。
また、融資金額も100万円程度までとなっており、少額低金利のリスクの低い比較的硬いカードローンの保証を行っています。
信金カードローンの在籍確認について
信用金庫カードローンの仮審査に通ったら、本審査の際に在籍確認として会社に審査担当者が電話確認を行います。
会社に個人名で電話がある
在籍確認は信金の審査担当者が個人名で以下のように電話をかけて行います。
「○○(審査担当者名)と申しますが△△様いらっしゃいますか?」
ここで本人に電話が繋がれば、在籍確認は完了です。
本人がその場にいない場合は会社の人から「不在」とか「お休み」と言ったように、その場にはいないが、会社に在籍していることが分かる言葉をもらえれば確認完了です。
カードローンの内容を会社の人に話すことはない
在籍確認の際には、あくまでも本人がその会社に勤務しているかどうかの実態を確認するだけですので、カードローンの内容を会社の人に話すことは絶対にありません。
仮に会社の人に「どのような条件でしょうか?」と尋ねられても、ローンの申込とは絶対に話すことはありません。
「個人的な要件で」などという適当な言い訳を作って誤魔化してくれます。
信用金庫カードローンは総量規制対象外
信用金庫のカードローンは総量規制対象外のため、法律によって融資限度額が決められているわけではありません。
しかし、内部規則によって、年収の2分の1程度の融資までしか行わないと決められているため、すでに年収の2分の1程度の借入が他社からある人は借入不可能です。
ただし、住宅ローンはこの中には含まれません。
信金カードローンでは即日融資はできません
信用金庫のカードローンは審査の時間がそれほど早くなく、審査回答までに3営業日程度の時間がかかり、ローンカードの受取は郵送となるため即日融資は不可能です。
審査スピードは1~3営業日程度
銀行カードローンの審査スピードは速くてその日のうち、遅い場合には1週間程度の時間がかかることもあります。平均的には3営業日程度の時間がかかるものであると認識しておきましょう。
WEB申し込みなら来店不要
信金カードローンはWEB完結契約があります。
WEB完結は以下の手順で行います。
-
1
インターネットで申込
-
2
ネット上から必要書類をアップロード
-
3
WEB上で契約同意という契約手続きを行う
契約後は郵送でローンカードが送られてきますので、WEB完結であれば来店不要で契約できますが、ローンの利用はカード到着後となってしまうため、即日融資は不可能です。
信用金庫カードローンの申し込みについて
申し込むには信金の営業範囲内に居住が条件
信用金庫のカードローンの申込条件として、当該信金の営業範囲内でないと申込むことができないという特徴があります。
地域密着型の金融機関である信用金庫は、同じ都道府県でも営業テリトリーが地域の信用金庫ごとに分かれています。
他の信用金庫の営業テリトリー内に居住している人が、居住地をテリトリーとしていない信用金庫に申し込んだとしても申込を受け付けてもらえません。
その他の条件は他のカードローンと大きくは変わりません。
信用金庫カードローンは種類が多い
信用金庫のカードローンは基幹商品であるキャッスルの他にも取引状況や用途によって様々な商品が用意されています。
基本の商品はキャッスル
信用金庫の基幹商品はカードローンキャッスルで、保証会社は信金ギャランティです。
主な商品性は以下のようになっています。
- 金利:1.9~14.5%
- 融資限度額:900万円
- パートアルバイトでも利用可能
取引条件によって多様な商品が用意されている
以下のようなカードローンも用意されています。
- 信金で給与振込を受けている人専用のカードローン
- 事業者が事業資金にも消費資金にも使用できるカードローン
信用金庫には様々な商品が用意されていますので、まずは窓口に行って自分に合ったカードローンはどのような商品なのか聞いてみるのがよいでしょう。
信用金庫カードローンのメリットデメリット
信用金庫のカードローンは信金との取引状況によっては審査に融通を利かせてくれるという点がメリットですが、即日融資不可・信金の口座保有が融資条件となるなどと言ったデメリットもあります。
メリット:保証会社への融通が利くことも
信金カードローンである、信金ギャランティにしても、信金保証基金にしても信金の関連会社です。
そのため、取引状況によっては関連会社に「どうしても審査に通過させてほしい」と信金担当者が頼むことが、別会社が保証を行っているカードローンよりも容易です。
筆者も銀行員時代には、取引先の企業の社長などの銀行員にとってどうしても融資を断れない人からローンの申込があった場合には、関連会社が保証するカードローンに申し込みをしてもらい、関連会社の保証会社に「どうしても審査に通過させてほしい」と頼んだ経験があります。
顔の見える取引だからこそ、信用金庫のカードローンのほうが審査に融通が利きやすいという点がメリットです。
デメリット①即日融資が不可能
先ほどから述べているように①審査に時間がかかる②カードの受取りが必ず郵送となる点から即日融資は不可能です。
デメリット②信金の口座保有が必須
信金のカードローンは信用金庫の口座を持っていることが必要になります。
そのため、口座を持っていない人は店頭で口座作成後の契約となるため、さらに時間がかかります。
信用組合カードローンとの違いは?
信用組合カードローンと信用金庫カードローンの名前は似ていますが、融資に対するスタンスは全く異なります。
信用組合のほうが融資にはそれほど積極的ではないため、商品性として利便性が低くなっています。
信用組合カードローンは店頭申込が必要なこともある
信用組合のカードローンは、インターネットから申し込みができる商品もありますが、店頭での申込しか受け付けていない場合もあります。
また、審査回答も3営業日程度の時間がかかるのが当然のようになっています。
金利は14.5%程度と信用金庫と同じような金利ですが、信用組合のカードローンのほうが、利便性などでは、信金よりも劣ると言えます。
まとめ
信用金庫と何も取引がない人が信用金庫のカードローンへ申し込んだ場合には、銀行カードローンと審査の難易度はそれほど変わりません。
しかし、顔が見える取引を企業理念としている信用金庫は、預金や融資などの取引状況が厚い顧客ほど審査を優遇することがあります。
審査回答や融資までの速度は大手消費者金融やメガバンクよりも劣りますが、信用金庫に家族で預金がある人や、給与振込を受けている人は銀行カードローンの審査に通過できなくても、信用金庫カードローンの審査であれば通過できる可能性がありますので、試しに申込を行ってみてはいかがでしょう?
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